- コロナ期の社会変革は、何を産むのか?
- デジタル・マーケティングは超・進化する!
- 30代40代の方に気づいてほしいこと!
私が体感する大きな流れを、マーケティングの近未来図として提示しました。大胆な仮説ゆえ異論もあるかと思いますが、示唆に富んだ内容です。
コロナ後の社会は、どう変わるのか?
新型コロナウィルスは、世界中に広がりました。今後どれ位で収束するかは分かりませんが、ワクチン開発を考えれば完全に収束するまで、1年半から2年位はかかるでしょう。
現在のような厳しい外出規制が何年も続くとは思いませんが、私たちの行動変容によって、何らかの社会変革が起きても不思議ではありません。
既にいろいろ予測されていますが、ほぼ確実なのはテレワークの普及でしょう。これまでハンコ文化だとか、日本人には合わないだとか、いろいろ言われてきましたが、それらを吹き飛ばす強制力が社会にかかっています。
テレワークの普及はコミュニケーションの軸が、現実社会からネット社会に移ることを意味します(オンライン化)。このオンライン化は教育、行政、医療、ビジネス等、多くの分野に広がるでしょうが、私が注目するのはビジネスです。
中でも営業活動が大きく変わると思いますので、話をオンライン営業に絞らせて下さい。
営業がネットに移行すると。。。
営業活動のオンライン化は、何もコロナから始まったわけでなく、DX化(デジタル・トランスフォーメーション)とか、セールステックの流れのなかで、以前から始まっていました。
オンライン営業が普通の営業と異なるのは、空気感や熱量を伝えにくい点です。臨場感とでも言えば良いでしょうか、対面状態ではありませんから、普通なら伝わる非言語の情報を、やり取りすることが出来ません。
また顧客にオンラインをお願いするのも、なかなか切り出しにくいことです。「なんだ、来てくれないのか」と思われるのが嫌で、遠慮してしまうのが普通でしょう。これらの理由から、これまではオンライン営業が普及しているとは、言い難い状況でした。
ところがコロナで、事態は一変しました。もうオンラインを依頼することに、躊躇いはありません。お客さんの方からオンラインをお願いされる状況も少なくありません。コロナという特殊環境が、オンライン営業を強制的に汎用化させた、と言って良いでしょう。
怪物はこうして誕生する!
ここで改めてオンライン営業とは何か、考えてみて下さい。何も難しいことではありません。カメラとプレゼンツールを使って、営業活動をネット上で行うのがオンライン営業です。
そこでは何が、変わるのでしょうか?
営業トークと顧客の表情が、デジタルデータとしてネット上に流れます。プレゼン資料(テキスト)、営業トーク(音声)、顧客の表情(動画)、この3つがセットになってクラウドに蓄積され、そこにAIが加わるのです。
何が起きますか?
お分かりでしょうか、、、ここに誕生する、怪物の正体を。マーケティングで起きたことが、営業分野で起きます。営業は注文の瞬間という決定的な場面をもつので、そのインパクトは強烈です。マーケティングの比ではありません。
その怪物の正体は、Google Analytics セールス版です。
営業トークは顧客の表情と共にデジタル化され、プレゼン資料の項目に沿って整理されます。それはAIの解析対象です。
- 何を伝えた時に、顧客の表情が変わったのか?
- 何を伝えた時に、顧客は身を乗り出したのか?
- 何を伝えた時に、顧客は沈黙したのか?
伝えた内容(ベネフィット)が顧客の反応とセットになって、解析対象となります。
もうお分かりでしょう。ここは売れる売れないの分岐点です。
顧客と商品の接点だから、商売の根幹部なのです。
- 複数のベネフィットを、顧客に伝えてみる。
- ベネフィットと顧客の反応が対になって、データベース化される。
- 蓄積データを元にABテストで検証し、磨きをかける。
このサイクルを回せば、どんな顧客に何を伝えれば売れるのか、自動的に分かることになります。
いや、凄い。。。
考えれば考えるほど、恐ろしいです。
※ 注記
恐ろしいと言ってますが、多くの方には良い話になるでしょう。私は自分の存在価値が危うくなるので、恐ろしいと言っています。
超・進化するマーケティング!
Google Analytics セールス版は、そのデータをWeb版と共有します。そうすると、顧客はどんなベネフィットで購入するか、データに基づいた施策が打てます。
ベネフィットAの購入率は25%、ベネフィットBの購入率は8%、こういったデータが揃います。そうするとページにどんな内容を盛り込むか、購入率に基づいて作成できるようになります。
残念ながら今の状況は、
- ページ間の遷移をみて、動線を変える。
- 着地ページのデータから、ページ冒頭部を変える。
- スクロール状態を、ヒートマップで解析する。
ここら辺まででしょう。
※ 注記
この解析の部分は、かなり荒っぽい説明ですね、ご容赦を。
なぜこうなるかと言えば、計測データがページ(URL)単位で、紐づけられているからです。ページ単位の修正は可能でも、ページ内に記載された個々の内容まで、修正を加えるのは無理がありました。ところが今回の営業版は、ベネフィット毎に顧客の反応データを持ちます。
ここにおいてデジタルマーケティングは、コンバージョンアップのコンテンツ修正を、データの裏付けにおいて可能となります。しかもそのデータは購入率です。これはとんでもない進化です。
遂にマーケティングは、営業と融合します。そして顧客の反応とセットになったベネフィットを使い、コンテンツを作れるようになるわけです。
これまで営業部門は、こう言ったかも知れません。「こんな質の低いリード(問合せ)を集めても、手間ばかりで意味がない。まったくマーケティング部門は分かっていない。」
しかし今度は違います。顧客の表情が変わったベネフィットを使い、ランディングページが作れます。ベネフィットの優劣という貴重なデータを得ることで、デジタルマーケティングはコンテンツ作成という、最大の壁を乗り越えていくのです。
営業部門は、2つに分かれる?
少し話の本旨と外れますが、営業部門は新規営業とリピート営業に分化するかも知れません。なぜなら新規とリピートは、性格が反対だからです。
新規営業はゼロから築くので、勇気、はったり等のチャレンジ精神が問われます。逆にリピート営業は、クレーム処理や社内調整など、貸し借りを含めた人間力が勝負です。同じ営業でも、本来の性格は正反対です。
ですので新規営業はオンライン化が進み、マーケティングと融合してデータ主義を強めていく。逆にリピート営業は従来からの社内調整など、対面活動を中心に進化する。そんな感じになるのではないでしょうか。
今は何をすべきか?
話を元に戻しましょう。これまで説明した未来図は、ヨーロッパを中心に進むクッキー規制のように、プライバシー保護の観点から何らかの規制が入るかも知れません。こうなると、どのように展開するかは分かりません。
またどれくらい先に、この未来図が実現するか、これも正直分りません。5年くらい先とみれば、今すぐやることはない。こう思われるのも当然でしょう。
ただ今回の考察から、私は皆さんに分かってもらいたいことがあります。
それはビジネスの根幹にあるもの、最も重要なものは何か、ということです。
1番目は商品、2番目は顧客、そして3番目がベネフィットなのです。
顧客に合わせて商品をどう説明するか、これがベネフィットです。分かりにくい人は、商品の特徴と思ってください。
ベネフィットをどう伝えるかは、顧客の心に届く商品の像を変えます。顧客と商品を結ぶ接点であるがゆえに、注文に直結するのです。
よろしいでしょうか。
だいぶ長くなりましたので、そろそろまとめたいと思います。
コロナ期をどう乗り越えるか、今はそれぞれのご事情で、苦しい時期かも知れません。
- 大きな決断を迫られる方もいるでしょう。
- 充電期間と割り切る方もいるでしょう。
しかしながら少なくとも私は、この先の未来に希望をもっています。それはビジネスの根幹を見据える重要性が、高まるからです。テクニックでどうこうなる状況ではありません。
本質的なものをしっかり見据え、歩き続けていきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。