LPで直面するマーケティングの難所

LPで直面するマーケティングの難所!

ランディングページ(LP)を始めとする販促ツールの作成で、最も厄介なポイントはどこか? コンサルティングの現場から、深いレベルで語ります。

LPに書かれた内容が分からない!

つい先日のことです。

ある方から自社開催するセミナーの、ランディングページを精査してほしいとご依頼がありました。
さっそっく原稿を拝見したのですが、正直、、、困りましたね。
こう言うのは本当に申し訳ないのですが、久しぶりに「どうにもならん」原稿を見た、という感じです。

いままで自分が関わった原稿のなかで、最低レベルではないでしょうか。。。
100点満点で15点以下。少なくとも30点に届かない。そんな印象です。

もちろんこれは私基準ですし、ご本人はそんなこと全く思っていません。
そして皆さんが見ても、多分こんなに低い評価にならないでしょう。

ご本人いわく、
素人のデザインなので、、、何かうまく伝わらないのです
プロのデザイナーにお願いすれば、良くなると思うのですが、、、
こういう感じです。

私からすると、いやいや、そういう表層部の問題ではないのですね。
・確かに色調は、少し暗い。
・デザインも垢抜けない。
こういう問題はあるのですが、そんなに大きな問題ではありません。私が問題視するのは、もっともっと根本的な部分です。

これは一体、何のセミナーなのか?
この最も根本的なことが、分からないのです。

そんな馬鹿な。。。

英語で書かれているわけでもあるまいし、日本語なら意味くらい分かるでしょう。こう思うかも知れませんが
・何のセミナーか、分からない。
・何の商品なのか、分からない。
・何のサービスか、分からない。
こういうケースは、皆さんが思っている以上に多いです。

原因はどこにあるのか?

販促ツールは本来、見た瞬間にその内容が分からないといけません。
一瞬の勝負であり、見た瞬間に分かるのが理想です。
ところが一瞬で頭に入るようなコピーを作るのは、とても難しい。

ですので原稿を隅々まで読み、内容を理解した上で、一瞬で伝わる訴求点を考えるのですが、今回は目を皿のように隅々まで読んでも、何のセミナーか分からないのです。

具体的に説明しましょう。
こんな感じの内容が、書かれていたと思って下さい。

▼▼▼
シンプルマネジメントを学びませんか?

シンプルマネジメントの第一人者である〇〇講師が
シンプルマネジメントの要諦をご説明します。
▲▲▲

どうでしょう?
なんとなく雰囲気だけでも、分かってもらえるでしょうか。。。

シンプルマネジメントという言葉は、私が例示のために作った造語ですが、要するに1つの造語を使って、複雑な内容を包括的に伝えているわけです

本来であればこのような時は、シンプルマネジメントとは何なのか?
その概念を丁寧に説明することが、解決策の王道です。

ところが販促ツールにはスペースの制限があります。
ランディングページだって、冒頭で表現できる内容には限りがあります。
どうしても複雑な内容は説明しづらいですし、仮に説明できたとしても、それが顧客に伝わるかどうかは、別の問題です。

ではこのような場合、どうしたら、良いのでしょうか?

どのように書くべきか?

ここは大事なポイントなので、良く聞いてください。

次の〇〇、XX、△△に言葉を埋めて考えます。

===
これは〇〇です。
ただし巷に溢れるXXとは違います。
なぜなら、△△だからです。

===

〇〇には、商品の名前が入ります。
今回であればセミナー名称、ないしはどんな分野のセミナーかになります。

XXには、比較対象が入ります。
顧客がそのセミナーを、どんな分野のセミナーと比較するか、考えて下さい。

△△は、比較対象との違いです。
差別化、競合優位を言葉にします。

先の例で言えば、次のようになります。

▼▼▼
シンプルマネジメントを学びませんか?
これは巷に溢れる管理職研修とは違います。

あれもこれも詰め込むのでなく、最も重要な3ポイントを繰り返すので、誰もが自然に身につくようになります。
▲▲▲

どうでしょう?
セミナー内容は一瞬で分かるはずです。

「管理職研修」という比較対象の登場で、全体の意味が明確になりました。

今ここで何をしたかといえば、セミナーそのものを説明せず、競合比較でその内容を伝えた、ということです。

例えて言えば、画用紙に丸い円を描くのに、

  • 円の内側を塗りつぶすのでなく、
  • 円の外側を塗りつぶした、ということです。

セミナー内容となる円の内側は説明しづらい。
だから円の外側を説明することで、円を伝えています。

そして商品を伝えるときは、このように外側を塗つぶす方が、内側を伝えるより、圧倒的に顧客には伝わります。

なぜなら人は新しいものを認識する時、既知の対象と比較するからです。人は孤立化したものを認識するのが苦手です。だから類似品と比較したほうが、顧客にはよく伝わります。

ところが、、、です。

比較対象を出すことは難しい

比較対象を出して説明するのは、売り手にはなかなかできない、非常に難しいことなのです。
なぜなら比較したくないからです。比較したくないという、単純な感情が理由なだけに、処理するのはとても厄介です。

一生懸命創ったオンリーワン商品に、そもそも比較対象など存在しない。
まして類似品などあり得ないし、比較するなど、まっぴらごめんである!
こう思うのが、商品に思い入れがある人の、自然な感情なわけです。

そしてこの感情は不幸なことに、商品に思いがあればあるほど、強くなります。

良い商品は、強い思い入れが無い限り、生まれません。
ところがその強い思いが、伝えるプロセスでは最大の障害になってしまう。

良い商品が売れるとは限りません。
良い商品が評価されるとは限りません。

それは伝えるプロセスにおいては、商品を生み出すプロセスと、真逆のことが求められるからです。

  • 自分の思いを優先するか?
  • 顧客の視点を受け入れるか?

ここがマーケティングの、最大の難所といって良いでしょう。




最後までご覧いただき、ありがとうございます。

かなり深い内容をお伝えしているので、このブログで学ぶと相当な力がつきます。

ただページ数も多いので、全てご覧いただくのは大変です(全記事の一覧)。

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