「ホームページ集客で、おまえがチェックしているポイントはどこだ?」「その企業秘密を今すぐ答えよ。さもなくば、命はない!」 もしこう脅されたら、私は答えるだろう。そ、それは・・・。
ズバリ、言いましょう。それは、求めるアクションです。
上図を見て下さい。求めるアクションとは、問合せ、資料請求、無料体験の申込みなど、WEBサイト上でユーザーに求める行動をいいます。そこには、必ずクリックしてほしい「お申込み」ボタンがあります。
その前後には、こう書かれていないでしょうか?
- お問合せは、上記フォームにご記入の上、ご連絡ください。
- 詳しい資料をご希望の方は下記フォームよりご請求下さい。
もしそうなら、こう自問して下さい。
「このボタンを押して、ユーザーが得られるメリットは何か?」
もう一歩踏み込んでお聞きすると、会社名や氏名といった身分を明かすリスクを犯してまで、ユーザーはボタンを押すメリットがあるのかです。ホームページ集客が機能するかどうかは、この1点に集約されます。
コンバージョン率の桁を感覚で掴んでおこう。
見ず知らずの人に身分を明かして連絡をとるのは、心理的にかなり高いハードルです。目安として知って頂きたいのは、チラシを配って問合せの電話がかかってくるレスポンス率です。
「まぁ、1%くらいかな」と思う方が依然として多いのですが、現実は0.1%以下です。商品やチラシの内容にも拠りますが、1000枚配って1人から電話がくれば、万歳三唱と理解してください。
もちろん、チラシとホームページ集客を同列で考えるのには無理があります。チラシやFAXは紙が残る。ところがホームページは瞬時にページを消せるから、物理的に何も残りません。
このように極めて軽い行動をとる人に「身分を明かしても送信ボタンを押したい!」と思ってもらう。そのために何をするのか。ここが全ての出発点です。ポイントを5つご紹介します。
なぜ、「問合せ」では無理なのか?
問合せページに入力フォームを用意して、「詳しくは下記よりお問合せ下さい」と促す。このようなホームページもまだまだ多いです。問合せが来ない原因をズバリ言えば、行動の負担感になります。
質問しようと思っても、書くにはそれなりの時間がかかります。知らない人にメールを送るには、儀礼文にしなければなりません。そうすると面倒くささも手伝って「まぁ、いいか。また後で」とサイトを去ってしまうのです。
メールアドレスを残すだけでも、相手はためらいます。考えたり書かせたりは、出来るだけ少なくしてください。最初のポイントは、請求者に行動の負担感を与えないことです。
なぜ資料は、請求されないのか?
- 詳しい資料をご希望の方はご連絡下さい。新製品情報、展示会のご案内など、最新情報をメールでご案内します。お気軽にご登録ください。
こんな感じで、資料請求やメールアドレスの登録をお願いしているサイトも多いです。著名企業のホームページや一般消費財を扱うホームページを除いては、コンバージョン率は0.1%未満でしょう。
なぜ請求が少ないかといえば、資料に魅力を感じないからです。「この資料は1000円で売れるだろうか」と考えてください。魅力を感じるには本来1000円払っても欲しい。それが今ならタダで手に入る。これ位の落差がないと、行動に向かいません。ところがほとんどのホームページは、タダのものを無料で配ります。
大切なことは、価値があるかないかではありません。価値があることを伝えているかどうかです。少しでも良いから、価値を高める視点で説明してください。言葉の量が、こちらの熱意です。「電話すれば何時でも送ってくるだろう、営業ツールなんだから」という前提を、ひっくり返すエネルギーが求められています。
言葉の量を増やして資料の価値を説明する。これが2番目のポイントです。
ホームページ集客が持つ、最大の強みとは何か?
ここまでお読みになって、「これは結構やっかいだぞ」と思われた方がいらっしゃるかもしれない。ただ悪いことばかりではないのです。ホームページには他の販促ツールにない、極めて優れた特性があります。それが3番目のポイントです。
ユーザーは必ず情報を探している。
ダイレクトメール、FAX、テレアポ、こういった手法は、ある日突然相手にコンタクトします。相手の状況はお構いなしに、ズケズケと踏み込んで行きます。
これに対しネットは、最初のアクションを必ず相手が起します。検索キーワードを入力する段階で、既に行動を起しているわけです。これは行動を促す視点から見ると、とても大きなアドバンテージになります。他の販促手法に比べ、圧倒的に楽なのです。
例えて言えば、他の販促ツールは止まっている車を一生懸命動かすようなものです。これに対してホームページは、ローギアで動いている車をセカンドにシフトアップするだけで済みます。この強みがあるからこそ、私は多くの方にホームページ集客の魅力に気づいてほしいのです。
何を突けば、請求したくなるのか!
4番目のポイントは、請求する価値を感じるかどうかは、相手の悩みを掴むかどうかにかかっているという点です。
例えば同じ中小企業経営者でも、マスコミから品質問題で叩かれることを心配している経営者は「マスコミをファンに変えた○○電機産業、石油○○ヒーターの教訓」という情報に価値を感じるでしょう。
一方で普通の経営者なら、このような情報には関心を払いません。むしろ価値を感じるのは「どんな融資担当者もイエスと頷く、銀行相手の実践トーク集」です。価値を感じるかどうかは「相手」と「状況」によって変わります。だからこそお客の悩みを、正確に掴めるかどうかにかかってくるわけです。
コンバージョン率を最大にするには?
5番目は「最も深刻な悩みを訴求ポイントにする」です。抱える悩みや問題が深刻であればあるほど、価値は高まりコンバージョン率はアップします。
経営者の方に「業務を効率化する、新ファイル整理術」という情報を提示したら、どう思われるでしょうか。たぶん、あまり興味を示さないでしょう。それはファイリングは事務員さんの仕事で、自分は関係ないと思っているからです。
では「もっと利益は増える!隠れた無駄をなくす11のファイリング技法」と言い換えたら、どうでしょう。少しは魅力を感じないでしょうか。それは「もっと利益は増える」が入っているからです。
中小企業の経営者であれば、まずは資金繰りでその次が社員です。社員を訴求ポイントにすれば「家族主義を守って業績をアップさせる新・人事評価システム」 という情報に興味を示すかもしれません。
最初にやるべき3つの具体策
以上をご理解いただくと、ホームページのコンバージョン率を向上させるために、最初にしなければならないことがお分かりになると思います。それは、ネット広告を出すことでも、ホームページを作り直すことでもありません。最初に次の3点を紙に書き出してください。
御社の営業マンが喜ぶのはどんな請求者か?
ホームページ集客が営業の1プロセスである以上、営業マンが訪問出来るようにしなければなりません。そのためには、理想客を想定してください。現実に玉石混合になるのは仕方がないとして、軸にすべきは理想客です。
その人が抱える最大の悩みは何か?
ユーザーは必ず何らかの情報を探しています。情報を探すという行動を取る以上、その前には何かに困っています。この人は何に困って検索したのだろうと、思いつく悩みを考えてください。
その悩みを解決するのに役立つ情報は何か?
まずは単語で構わないので書き留めてください。「こんな情報は役立たないだろうか」という感じで、思いつく言葉を書いてもらえばOKです。魅力的なネーミングも必要ですが、まずは言葉をたくさん書き留めてください。
以上、この3つがホームページ集客を成功させる最初の一歩です。これが準備できると、確実な一歩につながります。なぜならこの3つを考えるプロセスの中に、「お客の悩みを解決する」というビジネスの本質があるからです。
ご参考になれば、何よりです。