同じ人物を描くにしても、ルノワールとピカソでは全く違った絵になるでしょう。表現の視点が変わるからです。では同じ商品でも、視点が変わればコンバージョン率は変わるのでしょうか? 答えは「Yes」です。だからこそ、視点の取り方を学んでください。
商品はどのような視点で、表現されるべきか?
商品は葛藤の解決策として表現する。これがコンバージョン率を上げる重要なポイントです。すでに説明したように、葛藤をなくすために、人は行動します(顧客理解力を参照)。葛藤の解決策として商品を紹介すれば、誰もが入手したくなるのです。
では葛藤の解決策とは、どのような表現なのでしょうか。一番シンプルに説明しましょう。
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商品紹介: このパソコンは小さい。
葛藤解消: このパソコンは場所をとりません。
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「このパソコンは小さい」は、パソコンの規格を説明しているに過ぎません。売り手の視点です。これに対して「場所をとりません」は、普通のパソコンは場所をとるけど、これは大丈夫と伝えています。前提として机の上で場所をとるという不満(葛藤)があり、それを解消できると言っています。
これは一番シンプルな形です。実際にコンテンツを作るときは、もう少し複雑になります。ここでは考え方を説明していると思ってください。
表現する前に必要な、とっても大事なこと。
「コンテンツを生かすも殺すもこれで決まる」と言うほど、重要な作業があるのでお伝えしておきます。一番重要なことは、いかに数多くのベネフィットを検討するかです。1つの商品に対して最低でも20個、できれば50個は書き出してください。
たぶんベネフィットを検討している人でも、その数は10個位ではないでしょうか。数が重要と理解してください。コンテンツの力でコンバージョン率を上げたいなら、ここは絶対に妥協できない部分です。
ライティングのテクニックは幾らでもあります。それでコンバージョンを上げることも出来るでしょう。ただし数多くのベネフィットを踏まえて完成した文章は、テクニックだけの文章と決定的に違う点があります。
それは、「精緻な」「力強さ」です。文章が緻密で、押し上げるような力強さを備えるのです。この違いは読み手に伝わります。そしてコンバージョン率を底上げします。コンバージョン率をアップさせるにはテクニックも必要ですが、このような根源的な力強さは絶対に必要です。