アイビーコン(iBeacon)で、マーケティングはどう変わるのか、今日は考えてみよう。ネット通販のショーウィンドウ化が進むリアル店舗にとって、アイビーコンは、強力なマーケティングツールになるかも知れない。
アイビーコンとは?
アイビーコン(iBeacon)とは、iOS7に搭載された近距離の無線通信で、発信機から出た電波をスマートフォンが受信するシステムである。
発信機は小さく安価のため、店の入口や商品棚に設置することで、そこに近づいた顧客に正確な商品情報を、提供することができる。
Foursquareに代表される、これまでのロケーション・マーケティングは、GPSを使っていたため、位置情報に数十メートルのズレがあった。そのため近くにいる顧客を、店舗に誘導するまでが目的であり、対象は屋外である。
これに対しアイビーコンは近距離無線のため、店内の顧客を対象に出来る。すなわち顧客が店に入った時点、商品棚に近づいた時点、レジに近づいた時点で、きめ細かい情報を、提供することが可能になる。
アイビーコンのロケーション・マーケティングとは?
まずは2013年末からテスト導入を始めたメーシーズの事例を見てみよう。
米国百貨店メーシーズ(ショップキック社)
店に入った時点で、ボーナスポイントを提供し、各商品棚に近づいた時点で、お買い得商品をお薦めしていることが分かる。
トイザラス(ショップキック社)
若干分かり難いが、顧客を商品棚に道案内する機能もある。またクレジットカードとリンクしているので、支払いもスピーディに済ませることが出来る。
2つの動画はショップキック社のシステムだが、iOSとアンドロイド向け開発キットも配布されているため、アプリケーション開発は個人のエンジニアでも、可能だろう。
必ずしも大規模店舗だけと捉えず、小規模店舗においても工夫次第で、新しいマーケティングが展開できるはずだ。
今後の展開について。
米国では商業施設だけでなく、スタジアムやイベント会場などでも急速に普及している。
野球場の事例(CNET News)
日本国内に目を転じれば、ビッグカメラ(有楽町店)や渋谷パルコで、2013年9月から導入が始まっている。また図書館のような施設でも検討が進んでおり、遠くない時期に公共施設でも、スマホによる道案内が当たり前になるかも知れない。
スマホの普及により、いよいよネットとリアルが本格的に融合し始めた。ネット通販のショウーウィンドウ化に悩むリアル店舗にとって、アイビーコンは強力なマーケティングツールになるだろう。