無料レポートのような情報系オファーは、Webサイトのコンバージョン率をアップさせる。このように、「独断で勝手に選ぶ、完成度日本一のwebサイト」で説明しました。ところがどれだけ重要性を理解しても、殆んどの方は無料レポートに踏み出せないです。そこで今日は奥の手、すなわち「書かずして作る」方法をご紹介します。
なぜWebコンテンツとして公開しないのか?
情報には色々な形態があります。サイト上のコンテンツとしてオープンに伝える方法もあれば、今回のように無料レポートにまとめる方法もあります。もっとページ数があれば書籍になるし、音声にすればCD、映像にすれば、DVDになるでしょう。
またダウンロードで提供する方法もあれば、人前でしゃべってセミナーにする方法もあります。このように、情報はどんな形にも加工することが出来ます。
ではなぜ、わざわざレポートに形態を変えるのでしょうか? それはレポートのように情報量が増えれば増えるほど、その価値が高まるからです。
サイト上でユーザーに何かを請求してもらう場合、メールアドレスの入力を求めるのが一般的です。それはサイト上のコンテンツを読むより、負担を感じる行為です。仮にフリーアドレスであっても、滅多やたらに登録するのは嫌なはずです。
その負担感に見合う形で、請求する魅力を高めない限り、ユーザーは請求に踏み出しません。請求する魅力を高めるために、無料レポートを用意するわけです。
ところが情報量が増えれば、作るのに手間がかかります。サイト上のコンテンツを増やすことさえ厄介なのに、レポートを作れなんて・・・。
そこで今回は、「書かずして作る、土壇場の無料レポート作成術」を3つほどご紹介しましょう。
雑誌の記事を使わせてもらう。
自分で作らずにレポートを準備する、一番手っ取り早い方法は、雑誌の記事を使わせてもらうことです。どんな業界でも業界に特化した雑誌があるでしょう。図書館に行ってバックナンバーを調べるのです。
最初にチェックするのは、どんな人が書いているかです。記者が書いているのは、巻頭の特集くらいで、それ以外は業界の著名人や、代表的な企業の人が書いているはずです。
その中で、コネクションの取れる人がいないか調べてみる。たとえその人を知らなくても、取引先の企業であればコンタクトは出来ると思います。また全くコネがないにしても、著名人は展示会等で講演することが多いですから、その機会をとらえて名刺交換しておく。そして後日、会いに行くのです。
必ず会って事情を説明する。なぜその記事を素晴らしいと思ったのか。それをあなたがどのように、活用しようとしているのか。この2点を、率直に説明してください。
著者は必ず嬉しいはずです。私も雑誌の連載を1年間やったので分かりますが、著者は魂を削りだして書いているのです。だから自分の記事に、感想が寄せられればとても嬉しいし、それを広めたいと言われれば、決して悪い気になりません。
経験上、著者は100%OKするはずです。ただし、了解を取るのは著者だけではありません。その人が組織に属していれば、その組織の了解が要るでしょう。また、雑誌社の了解も必要です。
これらは著者がやってくれる場合もあれば、あなたがやらなければならない場合もあります。所属組織がどう判断するかは、ケースバイケースですが、少なくともあなたの使用意図が明確であり、悪用しないと分かれば、否定的に考えることはありません。相手にとって、宣伝になるわけですから。
また雑誌社はこの不況の中、バックナンバーの記事を広めてくれることに、躊躇する理由はありません。あなたが礼儀を守り、しっかり手順を踏んでアプローチすれば、道は簡単に開けるものです。
アンケートをとって、集計レポートを作る。
アンケートをとって、集計レポートをまとめるという方法もあります。少々書くことは必要ですが、全て自分で書くのに比べれば、その負担は非常に小さいです。この場合どんなアンケートをとるかという、テーマ設定が大切になります。
最初にやることは、仲の良い営業マンに相談することです。アンケートのテーマは、見込み客が関心を示さなければ意味がありません。それを一番良く知っているのは、お客と接している営業マンです。
次にアンケートをどのようにとるかですが、これはそれぞれのやり方で良いと思います。ただ私は、記入用紙を配って回収する方法を、あまりお勧めしません。Webサイトにアンケートフォームを作って、自動集計させるツールもありますが、お勧めしません。
その最大の理由は、単に数字を集めても、価値あるレポートは作れないからです。数字を集計すれば、その意味を解説しなければなりません。そこにはあたなの視点が必要です。ある程度知識を持っていれば、書けるかもしれませんが、それ位ならアンケートなしでも、レポートを書けるでしょう。
むしろアンケートをとる名目で営業と同行し、お客の声に耳を傾けることに、価値があると思います。質問は5つくらい準備して、聴き方はオープン・クエスチョンです。
「Webサイトを自分で作ったことがありますか?」
このような質問をすれば、相手は「はい」「いいえ」の答えで止まってしまいます。
「Webサイトを自分で作る状況になったら、どんな点に困難を感じますか?」
これがオープン・クエスチョンです。相手は自分の状況に応じて、色々な形で答えてくれるでしょう。
そして一つの質問をしたら、すぐ次に移るのでなく、相手の答えをさらに詰めてください。相手が「自分は作った経験がないから」と答えたなら、「どんなセミナーなら、参加する気になりますか?」といった感じです。
こうやって、お客の声を直接聞いて回れば、訪問できる数は10社くらいになるかもしれません。ただし、集めたデータは事実の裏づけがありますから、自信をもって書くことが出来ます。
この自信を持って書けることが、とても大切です。書くとは言い切ることであり、自信がないと言い切ることは出来ません。加えてあなたの知識は、お客から得た情報で、レポートをまとめるのに十分な量になっているでしょう。
そしてこの経験は、単にレポート制作に役立つだけでなく、別のコンテンツ制作にも、間違いなく役立つのです。
今ある情報を、再加工する。
3つ目の方法は、今ある情報をまとめ直すことです。レポートに書く情報が全くない企業はありません。
これまでメルマガを書いているなら、それを読み直してください。その中には、レポートに取り込める内容があるはずです。
WebサイトにQ&Aのコーナーがあるなら、それは良い素材になるでしょう。Q&Aを読み返す中で、もっと違う書き方に気づくかも知れません。
また営業マンは顧客に色々な情報を提供しているはずです。こっそり自分だけの活用事例集を持っているかも知れません。それを使わせてもらうのです。一杯おごってあげて(安すぎるかな・・・)。
新しく作ろうと考えず、まずは社内に使えるものがないか、考えてみる。これが最初の一歩になると思います。
まとめ
今回は3つほど話しましたが、これ以外にも書かずに済ます方法は幾つかあります。ただ何より重要なのは、自分で色々探してみることです。頭の中だけで考えて、諦めてしまうのが一番もったいない。
実際にいろいろ探してみれば、自然に道は開けてきます。
立ち止まったら、そこで進歩はストップしますよ。