1つの商品のなかに、松竹梅と3つのラインアップを用意する場合があります。客単価を高める意味でも価値ある方法ですが、そこには大きな落とし穴もあるので、注意して下さい。好評だったメルマガの文章をそのまま掲載します。
こんにちは、
マーケティング&営業コンサルタントの高橋聡です。
今日はコンサルティングの現場から、よくある間違いをご説明しましょう。
テーマは、訴求点です。
営業やマーケティングでは、真っ先に商品の特徴を考えます。
それは商品の特徴が伝わらなければ、話しが前に進まないからですね。
商品には多くの特徴がありますが、実際は1つを選ぶことになります。
なぜなら人は最初に見たり、聞いたりすることが、一番印象に残るからです。
また多くの特徴を一度に伝えれば、「いったい何が言いたいの???」となってしまいます。
”自社商品の最大の特徴は何か、1点だけ挙げよ”
これを考えることは、営業やマーケティングにおいて、極めて重要なことになります。
※ この最大の特徴を、訴求点といいます。
仮に商品をカラーコーディネータ養成講座としましょうか。
なんでも良いですよ。
養成塾みたいな、そういう講座の参加者を募集するとしましょう。
養成講座には、3つのコースが用意されています。
- 初級コース: 初心者向けで、色彩やコーディネートの基本的な内容を教えます。
- 中級コース: 初級コースの上位版で、より専門性の高い内容を教えます。
- プロコース: カラーコーディネータとして独立開業する人向けです。お客さんに何を聞かれても大丈夫なよう、仕事レベルの内容を教えます。
こういう区分けです。
よくあるパターンですよね。
このように3つのラインアップがある場合、各コースの冒頭で、何を訴求すべきでしょうか?
多くの方は次のように考えます。
カラーコーディネータは、お客さんのパーソナルカラーを見つけ、その方に合う化粧品やファッションを、コーディネートすることよね。
初級コースは色彩やコーディネートの基礎を教え、中級コースはより専門性の高い内容、そしてプロコースは仕事レベルの内容を教える。
だから3つのコースは、色彩やコーディネートという学びは同じで、レベルがそれぞれ違う。
こう認識してしまうわけです。
その結果、各コースは1つのページにまとめられ、訴求点は「色彩やコーディネートを学びませんか」という感じで共通になります。
もちろん、これは必ずしも間違いではありません。
カラーコーディネータの初級、中級、プロコースなわけですから。。。
ただしですよ。
良く考えてみて下さい。
本当にそうなのでしょうか?
教える側、売手からみれば、そうなんです。
しかし受講する側、買手からみるとどうでしょう。。。
初級コースと中級コースは、問題ありません。
問題はプロコースです。
受講する側にとって、プロコースは単なる上位コースではありません。
仕事として独立する、という極めてリスキーな内容が加わります。
プロコースを受ける人は、単にカラーコーディネートを学ぶために参加するのではありません。
- 仕事としてやっていけるのか?
- どれくらいの年収が見込めるのか?
こういう受講後の未来に、とても高い比重をおいています。
プロコースは、初級・中級コースと同格というよりも、むしろ転職サイトと同格なのです。
転職サイトの訴求点は「あなたも年収・・・マン」ですよね。
ですからプロコースの訴求点は、これと同じような内容にならないとおかしいのです。
カラーコーディネータ養成講座という大区分があり、その下に3つのコースが紐づけられている。
●カラーコーディネータ養成講座
・初級コース
・中級コース
・プロコース
この階層構図が、3つを同格だと錯覚させてくるのです。
同じ商品でも訴求点は、全く違います。
くれぐれも、本質を見誤らないように、気をつけください。
今日はここまで。