今回は、ランディングページ(LP)の直帰率は、どうすれば改善できるかご説明します。ランディングページの直帰率は、高いのが普通であり、直帰率だけを問題にするのは、正しいアプローチではありません。ただ直帰率を考える場合もあるので、あえて説明する。こうご理解ください。
- なぜランディングページの直帰率が、問題になるのか?
- ランディングページの直帰率の目安とは?
- LPの直帰率が高くなる、9つの原因。
- LPの直帰率を下げる、3つの改善策。
この順序で説明していきます。
なぜランディングページの直帰率が、問題になるのか?
「なんでこんなに直帰率が高いのですか!」
「いや、ランディングページの直帰率は、高いのが普通ですよ。」
あなたが制作会社さんなら、クライアントからこのようなお叱りを、受けたことがあると思います。もちろんあなたは、直帰率が高い理由を冷静に、説明することでしょう。
ランディングページは行動を促すため、余計なリンクを外します。ユーザーはランディングページ内でクリック出来ませんから、直帰率が高くなります。こう説明するわけですが、クライアントはしかめっ面です。なぜしかめっ面かといえば、それはコンバージョン数が低いからです。
ランディングページの目的は、コンバージョン数を増やすことであり、コンバージョンがクライアントの期待値を上回れば満足するし、下回れば不満に思う。これだけの話です。
ところが、コンバージョンが上がらないから、どこに原因があるのか考えてしまう。そうすると直帰率が突出して高いので、目につく。だから直帰率が問題になる。たぶん、こういう流れになっているはずです。
ですのでまずは、ランディングページの直帰率は高くなって当然であることを、事前にしっかり説明しておく必要があります。その際に目安となる数字は、下記の通りです。
ランディングページ直帰率の目安とは?
直帰率の目安
- ポータルサイト: 10~30%
- 小売サイトのトップページ: 20%~40%
- 汎用サイトのトップページ: 40%~60%
- ランディングページ: 70%~90%
この数字は私の経験と、ネット上に出ている数字を勘案した、大雑把な目安です。あくまで目安ですが、そんなに外れているわけでもありません。
まずランディングページの直帰率は、これくらいになって当然なことを、理解してください。特にランディングページを初めて導入する方は、ランディングページに過度な期待を抱く傾向にあります。
確かにランディングページは、コンバージョンを増やす有効な手法ですが、決してオールマイティではありません。コンバージョンを上げるために、犠牲にする部分もあり、それが端的に現れるのが直帰率の高さです。
ですので、直帰率の高さだけを捉えて、ランディングページを評価するのは、間違ったアプローチであり、評価すべき指標値はコンバージョン数です。
ですのでこのページで説明する原因と対策は、直帰率の改善になりますが、それは直帰率に限定した話ではなく、コンバージョンを増やす視点も、踏まえていることをご理解ください。
ランディングページの直帰率が高くなる、9つの原因。
それではランディングページの、直帰率が高くなる原因を9つ説明します。考える視点として下図のように、「ランディングページそのもの」と「ランディングページへのアクセス」の2つがあることを意識して下さい。
1.検索ワードの絞込み不足。(図の1番)
まずどのような検索ワードからユーザーを引き込んでいるかです。検索ワードの絞込みが不十分で、意味が広い場合は、関心の低いユーザーも引き込んできます。ページへの関心が低いわけですから、直帰率は高くなります。
2.PPC広告以外からの引き込み。(図の3番)
ディスプレイネットワークや、フェイスブック広告のように、たまたま目についた広告をクリックして、ランディングページに飛ばす場合、直帰率は高くなります。
これはPPC広告のように、検索という自主的な行動を、とっていないのが原因です。PPC広告であれば、ユーザーが検索という第1行動を、既にとっています。この時点でユーザーの行動性は高いわけです。
これに対して、たまたま目にした広告をクリックする場合、思いつきでクリックする場合が多いので、ユーザーの行動性は低いです。行動性の低いユーザーを引き込んでいるわけですから、直帰率は上がります。
3.広告コピーの内容が絞り込まれていない。(図の2番)
PPC広告のコピー内容が絞り込まれておらず、表示順位だけ高くして、強引に引き込んでいる場合、関心の低いユーザーを引き込むことになります。ページへの関心が低いわけですから、直帰率が高くなります。
4.広告コピーで、過剰な期待感を抱かせている場合。(図の2番)
広告コピーで過度な期待を抱かせ、ランディングページでその期待を裏切れば、直帰率は上がります。
5.広告コピーとLPコピーのミスマッチ。(図の2、4番)
広告コピーの内容と、ランディングページのコピーがかみ合っていなければ、直帰率は上がります。広告コピーで「特別価格でご提供」とあるのに、LPコピーに「特別価格」という言葉がなければ、ユーザーは期待を裏切られたと思うでしょう。
6.LPのコピー文やデザインが過激すぎる。(図の4番)
直帰率を下げようと、ランディングページのコピーやデザインを強烈にしたくなりますが、これは決して良い結果になりません。強烈にしすぎれば、ユーザーは引いてしまいます。弱いコピーも問題ですが、強烈なコピーにも問題があります。
大事なことは、ユーザーの期待に沿うことです。単に強烈にすれば良いわけではありません。
7.ランディングページのデザイン・色調の問題。(図の5番)
清潔感を求める商品なら、白ベースです。信頼感を求めるサービスなら、青ベースです。赤は気持ちを高揚させる大事な色ですが、何でも赤ベースにすれば良いわけではありません。
色調やデザインが、ユーザーの求めているイメージと合わなければ、直帰率は上がります。
8.テキストコンテンツが、読みづらい。(図の5番)
ページ全体をブロックにわけ、読みやすくする。見出しは大きな文字で、目に留まりやすくする。テキストの行間には余白をとって、読みやすくする。このようにページ全体を、読みやすくします。
読みやすくするため、テキストコンテンツの量を減らして、画像文字のみで作られたランディングページもありますが、これは良い結果につながりません。ある程度のテキスト量は、コンバージョンを上げるために不可欠です。問題はテキストの量でなく、読みやすいかどうかです。
9.フッターに、リンクがあるか?(図の6番)
ランディングページは、ページ内リンクを外しますが、フッターには関連コンテンツのリンクをとるべきです。これはランディングページを読み終わって、アクションしなかったユーザーを、広いあげる役割があります。
他のコンテンツを読んで、LPに戻ってきて、コンバージョンするユーザーだっているわけです。ページ最後には、関連コンテンツのリンクを取ってください。
ランディングページの直帰率を下げる、3つの改善策
直帰率を改善するには、上記の原因を潰していくのが基本ですが、ここでは最初にやるべき3点をご説明します。この3点が最も重要であり、これさえ対処すれば、直帰率は必ず下がります。
1.LPのコピーを、PPC広告のコピーと同じにする。(図の2,4番)
直帰率を上げる1番大きな原因は、前ページで期待した内容が、ランディングページにない時です。これを防ぐには、前ページの広告コピーと同じ言葉を、LPのキャッチコピーでも使うことが、最も簡単な方法です。
言葉を同じにすること、これが大切です。同じ意味を伝えても、表現が変われば、違和感を感じるユーザーもいます。仮に全く同じコピーにしなくても、最低限キーワードは繰り返してください。これは鉄則です。
またディスプレイネットワーク等で、広告に画像を使っている場合、同じ画像をLP冒頭でも使用します。同じ画像を使うことで、正しいページに来たことをユーザーは、直感的に分かるからです。
2.LPコピーの訴求点を見直す。(図の4番)
最も大事なのは、キャッチコピーの訴求点です。LP冒頭に位置するコピーの訴求点が、ユーザーの関心と合致しているかどうか。ここが、直帰率を改善する1番大事なポイントです。
ユーザーが心の中で思っていることを、言葉にして繰り返してください。ここで共感がとれるかどうか。これが全てです。当然、どこまで対象ユーザーを絞り込むか、どこまで対象を広げるか、考えねばなりません。
検索ワード、広告のコピー、LPのコピー、この3つの整合性がとれ、なおかつ訴求点がユーザーの関心を、正しく捉えていること。これをしっかり考えてください。
楽をしようとして、意味の異なる検索ワードを、同じLPに着地させると無理が生じます。LP冒頭のコピーだけでも、検索ワードに合わせて下さい。きめ細かく対応すれば、直帰率は必ず下がります。
3.ダブルアクションに変える。(図の7番)
求めるアクションを1つに限定せず、もう1つ設定するのも、有効な方法です。これは直帰率というより、コンバージョンを上げる方法でもあります。
例えば、求めるアクションが「セミナー申込み」の場合、ユーザーは日時が合わなければ、コンバージョンしません。また足を動かすことになるので、行動の負担感が高いです。行動の負担感が高ければ、コンバージョン率は下がります。
ですから「メルマガ申込み」のように、行動の負担感が低いアクションを、もう1つ用意します。セミナーには参加しなくても、メルマガ登録ならOKのユーザーも、いることを忘れないで下さい。
以上、ご参考になれば、幸いです。