先日、私のセミナーに参加された方と、場を改めてお話する機会がありました。その時に彼女が言った言葉が印象的だったので、ご紹介します。「Webでは誤魔化せたんですが、フェイスブックで気づいたんです。」 いったい彼女は、何に気づいたのでしょうか?
彼女は何に気づいたのか?
この方は全国に、100以上の店舗を展開する会社の、コミュニケーション・マネージャーです。各店舗を取りまとめ、ネットでの情報発信を統括する立場にいます。
この会社のフェイスブックページは、非常にしっかりしたコンセンプトのもとで運営されていて、FBページの投稿には、各店舗で働く現場の人が、接客時の抱負を書き込んでいます。
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「お客さんに喜んで頂ける時が、一番嬉しい時です。」
「ご相談に答えるときに、やりがいを感じています。」
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投稿の下には笑顔の写真も、添えれています。素晴らしいページだと思いましたよ。
現場の人からすれば、忙しい中、なるべく面倒なことはやりたくない。「写真はこれを使って、後は何か気の効いたメッセージを、本部で書いてください。お任せしますから・・・。」
こういう対応になってくるのは、目に見えます。そのなかで各店舗を説得し、現場の人に投稿してもらっているわけです。これは決して、簡単なことではありません。ここまで形を作るのだって、大変だったはずです。けど彼女には、問題意識があったんだと思います。それは・・・。
「投稿文を、どう書いたら良いのだろう?」 です。
投稿テーマは決まっています。「接客時の心がけを書いてください」です。ページに統一感をもたせるため、テーマは統一する必要があるでしょう。ただ、これだけだと、どの投稿も同じような内容を繰り返すだけで、単調になってしまう。
だから「どう書いたら良いか?」 すなわち、ライティングに関心があったのだと思います。セミナーに参加した動機は、「どう書いたら良いか?」だったと思いますが、彼女はセミナーで、気づいてくれました。
それは「表面をなぞった言葉では、コミュニケーションが成立たない」ということです。
それに気づいたからこそ、次の言葉になっています。「Webでは誤魔化せたんですが、フェイスブックで気づいたんです。」
どういうことか、ご説明しましょう。ポイントが2つあります。
利用媒体の目的は何か?
Webサイトは、非常に汎用性の広い媒体です。
会社案内に近いページも作れれば、商品カタログのページも作れます。チラシのようなページも作れれば、テレビCMに近いページも作れます。作り手が期待するほとんどの役割に、応えることができます。
とても自由度が高いわけですが、それは作り手がWebサイトにどんな役割を持たせるか、ハッキリさせないと、ごった煮のようなサイトになることを意味します。仮にWebサイトの目的を、問合せを増やすにしましょう。
問合せは、ユーザーとコミュニケーションした結果で生まれますから、ページにはユーザーと心を通わせる内容が必用です。コミュニケーションを意識しないサイトに、問合せが来ることはありません。これはハッキリした事実と、断言できます。
ところがWebサイトは、会社案内のページもあれば、商品カタログのページも入ってきます。色々な内容が混在するので、コミュニケーションの比重は相対的に下がります。要は真正面から、コミュニケーションを意識しなくても済むわけです。
ところがフェイスブックページは、違います。役割はユーザーとコミュニケーションをとることです。だからどうすれば、コミュニケーションがとれるのか、真正面から向き合わなければならない。「コミュニケーション」という最も重要なポイントから、逃げられなくなるわけです。
テキストの勝負になる。
Webサイトは、単なる文章テキストだけではなく、写真も使えれば、イラストだって使えます。文字だって、画像を使えば装飾できます。表現方法が多様なので、文章の「内容」は相対的に、比重が下がります。
文章内容にあまり気を使わなくても、美しい写真を据えて、装飾された文字を散りばめれば、ユーザーとコミュニケーションしている気になれるわけです。
これに対して、フェイスブックページは、投稿文と画像1枚です。ユーザーとコミュニケーションをとるには、投稿文としてどんな内容を書くか、向き合わねばなりません。
どんな内容を書けば、ユーザーとコミュニケーション出来るのか? ここでも、逃げられないわけです。
まとめ
「Webでは誤魔化せたんですが、フェイスブックで気づいたんです。」
この言葉の意味を正確にお伝えすると、次のようになります。
Webでは「お客と心を通わせる文章」を意識しなくて済みましたが、フェイスブックページになって、どんな内容を投稿すれば、心が通じあうか、考えるようになりました。
嬉しいですね。セミナーをやって、本当に良かったと思いました。
このような話を聞かせてくれた彼女にお礼を申し上げて、今回の記事を終わろうと思います。
ありがとうございました。心より、お礼申し上げます。