コンバージョン率を上げるために、コンテンツを作る。そのとき、7つの力が必要です。ここでは、顧客理解力を説明します。「お客を知ることは重要だ」と誰もが言います。ところがお客の何を知れば良いかは、明快に説明されません。ですので、この点から説明しましょう。
顧客を理解するとは何か?
お客を理解するとは、ズバリ、お客が抱えている葛藤を知ることです。葛藤とは、憧れや嫉妬のような感情もあれば、「私には文章力がない」というような事実認識も含みます。
お客の葛藤を知ることは、とても重要です。なぜならこの心理的なアンバランスが、購買行動を生み出す原動力になっているからです。習慣を除けば、すべての行動は葛藤から生まれます。葛藤という心に生まれるアンバランスが、行動の引き金を引くのです。どういうことなのか、説明しましょう。
「昼までにこの仕事を、終わらせて下さい」と部長から言われた。ところが、まだ終わっていない。こういう状況を考えてみます。このまま放置すれば、昼までに部長の仕事は終わりません。あなたの心に、葛藤が芽生えたといって良いでしょう。
まずはこの状態を何もせず、放置し続けることができるでしょうか。実際にこれはかなり難しいことが、お分かりいただけると思います。葛藤はストレスですから、これを抱え続けることは容易ではありません。普通は2つの方法で、消し去ろうとします。
一つは「よし!午前中は全力で頑張ろう」と仕事に取り組むことです。ほとんどの方は、こちらを選択するでしょう。行動を起こせば、葛藤はなくなります。なぜなら自らの積極的な行為によって、現実の状況を変えているからです。
ところが、行動しないで解消する方法もあります。「午前中はやらなくても、明朝までに済ませれば良いか・・・」と、自分に言い訳する方法です。この場合は現実の状況を変えるのでなく、自分の認識を変えています。事実を自分の都合の良いように解釈することで、葛藤を消すわけです。
どちらでも葛藤はなくなりますが、行動が現実の状況を変えるのに対し、言い訳は内面の解釈を変えるだけです。事態の根本的な解決にはなりません。
「いちいち言い訳するな、黙ってやれ!」 こういう上司のお怒りは、ある意味で理にかなっているわけです。
葛藤を120%理解する。
最初にお客が抱える葛藤を理解する。そしてその理解は、120%を目指さなければなりません。100%では不十分です。あえて120%と言うところに、事の重要性を理解して下さい。
「お客は何に悩んでいるのか」「悩みはどれほど深刻なのか」「何に課題を抱えているのか」「どうして理由もなく欲しいのか」「悩みはいつがピークになるのか」「なぜそのキーワードで検索するのか」「何かきっかけがあったのか」「・・・」 ありとあらゆることを、貪欲に知ってください。ここでの作業は時間を浪費することがありません。全てが役に立ちます。
お客の葛藤を知る方法は幾つかありますが、今すぐ出来ることを一つご紹介しておきます。お客の声を、もう一度読み返すことです。そこに葛藤が書いてあるわけではありませんが、とても役立ちます。読み返すと多くのことに気づきます。ポイントは「なぜこのような感想になったのか」と、背景を想像して読むことです。視点が変われば、読んで得るものも変わります。
お客の息遣いを感じることが出来れば、やるべきことは半分終わったようなものです。コンテンツとは、お客に向けたメッセージです。独りよがりでは、決して振り向いてくれません。ここで手を抜くとコンバージョン率は思うように上がらないので、くれぐれも注意してください。