ネット集客の勝負は、どこで決まるのか? 最も大事な点を説明し、具体的な7つの変更ポイントを説明しました。ネット集客で成果の出ない方、起業家の方、Web制作会社さんは、必読です。
ネット集客の勝負は、どこで決まるのか?
Webサイトに始まり、メルマガ、ブログ、動画、ツイッター、フェイスブック、・・・。ネット集客で使えるメディアは、どんどん増えています。ネットは広く普及し、検索すれば色々な情報が得られるようになりました。
それにもかかわらず、ネット集客に満足している人は、どれだけいるのでしょうか。現実をみれば、集客に満足している人は、決して多くありません。
もちろんその原因は色々ありますが、多くの方に共通するのは、「伝え方」を間違っている点です。どういうことか、ご説明します。
最初に、次の2文を比べてみて下さい。
- 「すいません、コピーを5枚だけ、先に取らせて下さい」
- 「すいません、あと10分で授業が始まるので、コピーを5枚だけ、先に取らせて下さい」
あなたがコピーをとっていて、後の人から声をかけられたら、どちらの場合にコピー機を譲るでしょうか? これはもう、圧倒的に後者なのです。
感覚的にもお分かりになると思いますが、実際の実証データもあります。
社会心理学者が、学生を集めて実験した結果、
1番の場合に譲る人は、60%
2番の場合に譲る人は、94%
こういう結果になっています。 ~ 「影響力の武器」第1版 9ページより
なぜこのように、結果が違うのでしょうか?
それは伝えている内容でなく、伝え方(文型)にポイントがあります。
1番は「コピーを5枚だけ、先に取らせて下さい」で、単純な依頼です。これに対して、2番は「あと10分で授業が始まるので、・・・させてください」というように、理由のついた依頼です。
単純な依頼より、理由つきの依頼のほうが、私たちは受け入れやすく出来ているのです。
どういうことかと言えば、私たちの脳は日常生活の中で、膨大な情報を処理します。そのため常に効率よく、素早く処理しようとします。その結果、言葉の1つ1つを把握しないで、文章のパターンで処理してしまうのです。
自分のこれまでの経験に照らせば、理由つきの依頼は、ほとんどOKを出していた。それなら、今回も理由つきの依頼だから、OKを出そう。内容まで判断しなくても、大丈夫。こう動くわけです。
すなわち、「・・・なので、・・・させてください。」
この伝え方(文型)に対して、私たちはOKを出しているのです。
ですから、ここに添えられた「あと10分で授業が始まるので・・・」という理由は、あまり重要ではありません。「友達が待っているので・・・」でも構いませんし、「食事をしなければならないので・・・」でも、結果は変わらないでしょう。
このように伝え方を変えるだけで、人は行動する確率が変わるように出来ています。
そして全く同じことが、ネット集客にも当てはまります。1例を挙げましょう。
問合せを増やす、伝え方とは?
あるネット通販のWebサイトです。お問合せページがあり、そこには質問を送れるように入力フォームがあります。フォームの前には、「お名前、メールアドレス、御質問を記入し・・・。」 こう書かれています。
良くあるタイプですよね。ここで何が問題になるか、お分かりでしょうか? 結論から言います。問題は、行動の負担感です。
フリーフォームに質問を書くのは、ユーザーにとって大きな負担です。なぜなら自分の頭を整理し、相手に分かるように言葉を選び、必用があれば自分の状況を、説明しなければなりません。
しかも会ったこともない運営者に、質問するわけですから、気遣いもあるでしょう。言葉の言い回しに、悩むかも知れません。そうすると、よほど深刻な悩みを抱えていない限り、「まあ、いいか、別に・・・」と、止めてしまうわけです。
このようにフリーフォームの入力は、ユーザーにとって負担感が大きいものです。ですから負担を感じないように、こちらが先回りして伝えてあげます。この場合であれば、次のように伝えます。
▼▼▼ ここから
ご参考までに、これまで次のようなご質問を頂いています。
1.私のサイズは、身長からいうとMなのですが、胸囲が1m近くあるので、着れないことが多いです。商品Aは写真から見ると、だいぶゆとりがあるように思いますが、購入しても大丈夫でしょうか? もし着れなかった場合には、返品することも可能でしょうか?
2.返品のページは読みましたが、内容を確認したくてメールしました。商品Bの黒色なのですが、実際の色は写真よりも青みがかかっていると思いますが、間違いないでしょうか?
3.・・・・(略)・・・・。
4.・・・・(略)・・・・。
5.・・・・(略)・・・・。
6.・・・・(略)・・・・。
7.商品Cは、在庫切れになっていますが、入荷の予定はありますか? 予定があるなら予約したいのですが、可能でしょうか?
このように毎日、多くのご質問を頂いています。皆さんいろいろな質問をされますので、どんな内容でも構いません。どうぞ遠慮なくご質問下さい。ご返信は私○○が責任を持って、24時間以内にご連絡します。
▲▲▲ ここまで
このように実際に受けた質問を、入力フォームの前に例示します。7個くらいを伝えてもらうと良いでしょう。
こう伝えてあげることで、ユーザーは「あぁ、こんな内容でも構わないのかぁ」と安心します。そして具体例を読む中で、脳が刺激を受けて、自分の質問内容を思いつきます。加えて、例示された質問を真似して書けますから、手間がかかりません。
すなわちユーザーの心理状況を考え、行動の負担感が高いなら、それを下げるように伝えてあげるわけです。
この変更で、どのような効果があったのか、実際に変更した方からご感想を頂いているので、確認してください。
ECショップを経営しています。ショップを訪れてくれたお客様を、どこに誘導していくべきなのか、自分では分かっていませんでした。ご指摘を受け、はっきりしました。自分自身で考えていた商品ページの改良、及び記載された改善方法を商品ページに落とし込み、反映させました。それと指導いただいた改善方法を反映させたところ、その作業中に早速効果がありました。今では以前に比べ数倍の効果を感じており、受注に結びつけることができる様になっています。申込んで本当に良かったと思います。何度も繰り返して、更なる売上げ向上を目指します。
(ネットショップ経営 代表取締役)
ここに書かれている「指導いただいた改善方法」が、今説明した「過去の質問を例示してください」になります。
このように伝え方を変えるだけで、ネット集客は変わり始めるものです。参考までに伝え方が鍵になる箇所を、7つほど掲げておきますので、チェックしてください。
伝え方が鍵になる箇所はどこか?
1.電話連絡を求めているのに、電話番号と受付時間しか書かれていない。
サイトやブログには、連絡先として、電話番号が書かれていますよね。その前後に、あなたのメッセージは書かれていますか? このメッセージを正しく作ることで、電話問合せを増やすことが出来ます。
2.小冊子や無料レポートをご紹介しているのに、解説が何も書かれていない。
小冊子や無料レポートを紹介しているなら、そこには最低限、内容の説明が必要です。まずは内容が説明されているか? そして大事なのは、どのような伝え方をしているかです。単に目次を紹介するような伝え方では、問合せは増えません。
3.フェイスブックを始めましたが、効果を実感できません。
この場合まず考えるのは、メディア選択の問題です。フェイスブックの中に、あなたのお客は本当にいるのか? 仮にいたとしてもあなたの商品に、関心を持つ心理状態なのか? この2点を考えます。
特に後者は、間違いやすいポイントです。フェイスブックは親しい仲間と、会話を楽しむ場です。商品が楽しい会話の、延長にあるなら上手く行きますが、そうでなければ苦労するはずです。
楽しい会話の延長とは、手芸教室、旅行、スポーツ、自動車、こういう商品を言います。
メディア選択がOKなら、後は投稿文の問題です。投稿文をどのように書くか、すなわち伝え方に問題があります。シェアやいいねをとるには、あなたの投稿に相手が共感することが欠かせません。そこには共感をとる伝え方が、求められます。
4.会社紹介ページには、付き合っているお客が書かれているか?
会社紹介ページには、所在地や資本金などが書かれていますが、そこに取引先は書かれていますか? 個人事業なら、どんなタイプの人と付き合っているか書かれていますか?
会社紹介はクリック率の高いページです。なぜなら初めて訪問したユーザーは、サイト運営者が信用できるか、知りたいからです。ユーザーが最も信用を感じるのは、何が分かった時でしょう。それは自分と同じような人と、付き合っていることが分かった時です。
5.キャッチコピーは、商品の素晴らしさだけを、伝えている。
一般にキャッチコピーは、「商品の素晴らしさを伝えよ」と言われますが、素晴らしさだけを伝えると、お客は「ほんとうかなぁ・・・」と疑いを深めるものです。
これは心の作用・反作用のようなもので、あなたが素晴らしいと伝えれば伝えるほど、お客は疑いを深めます。もし商品の素晴らしさだけを伝えているなら、そのコピーは滑っている可能性が高いと思ってください。
6.特定商品(サービス)に絞った集客をしているか?
自動車修理業なら、車検よりエンジントラブルの方が、集客性が高いです。学習塾なら、英語より社会の方が集客性は高いです。治療院なら、症例によって集客性は変わります。
どの商品に絞って集客をかけるかは、極めて重要なポイントです。総花的に商品(サービス)を伝えている限り、問合せは増えません。
7.SEO対策は、外部リンクに頼っている。
このケースは問題です。下手をすれば、検索エンジンが無視するサイトになって、絶対に上位表示されない危険すらあります。今の時代は、被リンクでなく、コンテンツの質が問われます。
すなわち、どれだけユーザーがページを高く評価するかです。ユーザーが評価するのは、内容だけではありません。「この内容、良いなぁ・・・」と思うには、内容だけでなく、伝え方にコツがあります。
いかがでしょうか?
もし上記の中で1つでも当てはまるなら、あなたのネット集客は、まだまだ改善ポイントがあることでしょう。なぜならここで説明した7つのポイントは、問題となるポイントの、ほんの一部に過ぎないからです。
以上、ご参考になれば何よりです。