ここではWebマーケティングについて説明します。Webマーケティングは範囲が広く、全体像が分かりにくいです。ですのでまず全体像を押さえ、それから個別のテーマを説明します。読者対象は初心者の人です。ただ集客の成功ポイントも網羅したので、実務で困っている人にも、お役に立つでしょう。
まずは、全体像を押さえよう!
最初に上図を見て下さい。ここにWebマーケティングの全体像を、まとめています。
3つのステップに分けて考える。
まず全体を横方向、3ステップに分けて考えます(一番上、赤の部分)。3ステップとは、アクセス、問合せ、成約(注文)です。左側から流れ込むお客(ユーザー)を、右側にある商品に向けて、効率の良い「流れ」を作る。これがWebマーケティングだと、思ってください。
- アクセスの部分は、ユーザーを御社サイトに引き込むまで。
- 問合せの部分は、自社サイトから問合せまで。
- 成約(注文)の部分は、問合せから成約まで、です。
問合せと成約は、ネット通販のようにネット上で完結する場合もあれば、B2Bのようにネットは問合せまでで、以降は営業活動になる場合もあります。
どちらにするかの判断基準は、商品とお客の組合せで決まります。
商品とお客の特性を考え、注文への心理的な負担が少なければ、ネットで完結させます。心理的な負担が大きければ、オファー(メルマガ、電話問合せ等)を使って、お客さんを囲い込みます。
成約までにするか、それとも問合せまでに留めるか? その判断基準は、下記の記事で説明しているので参考にして下さい。
(参考記事) オファーが必要なサイトと不要なサイト。
「ツール」と「戦略」に分けて考える(縦方向)。
次に縦方向です。ここではツール(真ん中、白丸)と、戦略(下段)に分かれます。
● ツールとは、ブログ、ソーシャルネット、動画、Webサイト等、ネットで使われる道具です。
アクセス(左)にまとめたのは、アクセスを増やすために使われるツールです。SEOから動画まで、代表的なものを挙げています。
問合せ(中)のツールは、Webサイトが中心ですが、ワードプレスに代表されるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使うのが、今の主流です。
ワードプレスはブログの1種でもあるので、正確に言えば、Webサイトないしはブログということになります。
また各ページは、入口・中間・出口と分けて考えるようにします。このように分ける理由は、この後、詳しく説明します。
成約(右)で必要なツールは、オファーです。どのようなオファーをWebサイトの出口に設定するかで、成約率は大きく変わることに注意して下さい。
次に戦略(下段)です。
● 戦略とは、これらのツールをどのように組み合せ、ユーザーと商品を結びつけるかです。
適切なツールを選び、アクセスを増やし、ユーザーを効率的に、そして自然に、右側に流れるように設計します。
データが蓄積されているなら、アクセス解析を使って、検討することも大切です。ただ、これは最後に詳しく説明しますが、くれぐれもデータだけで、考えないようにして下さい。
直帰率、ページ滞在時間等、データが教えてくれるのは、問題の所在までです。アクセス解析では、問題の所在までしか分かりません。
その先にある解決策は、ユーザーの興味や期待が鍵になります。すなわち、離脱率が高いなら、
- そのページに来るユーザーは、何を期待しているのか?
- その期待にページ内容は答えているか?
- ページ冒頭で、簡潔明瞭に伝えているか?
- ページを見終わったら、自分が知らない何か(知識のプレゼント)を得たか?
こういうポイントから、解決策を考えることになります。向き合うのはデータでなく、人間の心理だということを、常に心掛けるようにして下さい。
以上、ここまでが全体の概説になります。それでは、個々の成功ポイントについて、説明してきましょう!
アクセスの成功ポイント。
ここでは、上図の赤色の部分について、1つ1つ説明していきます。
自然検索(SEO)の成功ポイント。
自然検索(SEO)の成功ポイントは、被リンクの質とコンテンツの質です。
ここ数年でグーグル・ヤフーの上位表示基準は、大きく変わりました。それを一言で言えば、リンク主義からコンテンツ主義への移行です。
従来から重視されていた被リンクの質だけでなく、今はページの内容が問われます。ページに書かれた内容が、検索ユーザーの期待に応えているか否か、これが一番大事なポイントです。
この点については、下記の参考記事で、分かりやすく説明したので参考にして下さい。
(参考記事) SEO対策の基本、最新版!
ネット広告の成功ポイント。
ネット広告の成功ポイントは、費用対効果です。
広告費に見合う収益を回収できなければ、広告を続けることが出来ません。逆に広告費に見合うなら、継続することで、ビジネスを拡大することが出来ます。
この費用対効果を考える時に、大事なのがコンバージョン率です。コンバージョンは、Webマーケティングに取り組む上で、絶対に理解しなければいけない言葉です。
下記の記事で「これでもか!」と言うくらい、詳しく説明しているので、時間がある時に読んでください。
(参考記事) コンバージョンの完全理解(保存版)
ブログの成功ポイント。
ブログの成功ポイントは記事の数と内容、この2点に尽きると言って良いでしょう。
記事の数は、最低でも100は必要です。皆さんが今読んでいるこのブログは、記事数が120ほどあり、アクセス数は6万ほどあります。
Webマーケティングは第1には数の勝負になりますから、最低でも1万位のアクセスは欲しいところです。
良い記事を作り、上位表示させ、アクセスを増やす。これが基本戦略です。ただ企業規模によっても、戦略は変わりますので、下記の記事を参考にして下さい。
(参考記事) オウンドメディアの事例を、企業規模別で学ぼう!
オウンドメディアの意味が分からない方は、下記も併読して下さい。
(参考記事) オウンドメディアとは何か、明快に分かる!
ソーシャル(SNS)の成功ポイント。
ソーシャルの成功ポイントは、ズバリ、共感です。なぜならソーシャルネットワークの本質は、ユーザーとのコミュニケーションにあるからです。
ユーザーとのやり取りを通じ、共感⇒親近感⇒信頼という流れを作ることに、ソーシャルのポイントがあります。
冒頭の全体図では、ソーシャルをアクセスアップのツールとして位置付けましたが、これは正確ではありません。
ツイッターのように短文の場合は、アクセスアップと位置付けて構いませんが、フェイスブック、リンクトイン等は、共感をベースにした信頼獲得ツールと位置付けるべきです。
この点は、この記事を読むと、良くご理解いただけます。
(参考記事) Webでなく、フェイスブックで気づいた彼女。
またソーシャルはコミュニケーションを誤ると、炎上という厄介な状態になります。炎上を避けるにはどうすれば良いか、下記の記事で学んでください。
(参考記事) ドコモのフェイスブック炎上で学ぶこと。
動画の成功ポイント。
動画の成功ポイントは、リアリティーに基づく信頼です。どういうことか、分かりやすく言えば、文章では嘘がつけても、動画では嘘がつけないということです。
一番分かりやすい例が、お客の声でしょう。テキストで、「驚きました! 本当に今まで食べたことのない味です。こんなお料理があるなんて、信じられません」とあっても、にわかには信じられません。
ところが、動画だったらどうでしょう。実際に食べている映像が流れ、その後、「いや、美味い!」と言っていたら、かなり信用できるはずです。
もちろん演出が入っている場合もあるでしょう。ただ動画は文字に比べ、伝わる情報量が圧倒的に多いです。
視線、しぐさ、言葉の間合い、声の強弱、・・・。こういう文字では分からない情報が伝わりますから、直感で嘘か否かが判断できます。
このように動画の長所は、リアリティにあります。ですので正しい使い方は、お客の声や店主の自己紹介等、信用を獲得する場面で使うことです。
なお全体図の中で、動画をアクセスアップのツールと位置付けたのは、Youtubeは上位表示しやすいという、特性があるからです。
ロングテールの検索ワードで、競争が激しくないワードならば、Youtubeの動画は、上位表示される可能性が高いことを、付け加えておきます。
問合せ・成約の成功ポイント。
ここでは上図の赤色、問合せと制約について説明していきます。
Webサイト(ネット通販)の成功ポイント。
ネット通販の場合、アマゾンや楽天のようなショッピングモールから、小規模なものまで範囲が広いです。ここでは小規模なネット通販に、話を絞ります。
小規模なネット通販の成功ポイントは、集客商品の選定です。どういうことかと言えば、商品には初回販売に適したものと、そうでないものがあるからです。
どのような商品が初回販売に適しているかは、下記の参考記事で説明しているので、参考にして下さい。
(参考記事) 何を集客商品に選ぶべきか?
総花的に商品を並べている限り、注文は増えません。なぜなら選択の自由は、お客に優しいとは限らないからです。
購入には必ず、不安がつきまといます。だから「大丈夫!」という最後の一押しは、ネットであっても売り手がやらなければなりません。
- あなたが家電量販店に行って、買う気がないのに話しかけられたら、うるさいと嫌がるでしょう?
- 逆に買おうかどうか迷っているのに、店員さんがいなければ、このお店は冷たい! こう思うはずです。
これはネットでも、同じことなのです。
Webサイトの成功ポイント。
Webサイトの成功ポイントは、もうこの1点に尽きます。それは求めるアクションです。
求めるアクションを何にするかで、Web集客の成否は決まると言っても、言い過ぎではありません。
- 求めるアクションとは何か?
- なぜこれが成否を決めるのか?
下記の参考記事で、詳しく説明しているので参考にして下さい。
(参考記事) ホームページ集客で成功する、最大の急所はここだ!
入口・中間・出口と、ページを分ける意味。
このように分ける理由は、サイト内のユーザーの流れ(動線)が重要だからです。昔のWebマーケティングであれば、入口はトップページでしたが、今は違います。
今のグーグルは、検索ユーザーの関心にドンピシャだと判断すれば、サイトの下層ページであっても、上位表示させます。ですのでWebサイトを設計するときは、どのページが入口で、どのページが出口かを考えるのが重要です。
そして最も大事なことは、全てのページから1クリックで出口ページに飛ぶように、シッカリ動線を作ることです。
それは出口ページに辿りつかなければ、Webマーケティングの目的を達成することができないからです。
入口ページ、中間ページ、出口ページで参考になる記事は、下記の通りです。
(入口ページの参考記事) トップページの参考レイアウト
(中間ページの参考記事) 会社概要ページに書き漏らす、大事なコンテンツとは?
(出口ページの参考記事) サイト診断の急所は、この1点!
ランディングページについて。
全体図に記載すると、分かりにくくなるので、省いたのがランディングページです。
ランディングページとは、ネット広告から直接着地させ、入口ページと出口ページを併せ持つページを言います。
ランディングページについては、非常に多くの誤解が蔓延しているので、下記の参考記事を読んで、シッカリ理解して下さい。
(参考記事) ランディングページとは何か、これで分かる!
戦略について。
最後に上図の赤の部分、戦略についてです。
Webマーケティングの戦略とは?
Webマーケティングの戦略とは、集客設計です。これまで説明したツールをどのように組み合わせ、左側から流れ込むお客(ユーザー)を、右側にある商品に向けて、効率の良い「流れ」を作るか、になります。
その成功ポイントを、1つだけ挙げよと言われれば、それは「商品」と「お客」をどこまで明確に定義できるかです。
商品とお客などと言うと、当たり前の話なので、軽視される人が多いです。また最初のうちは、なかなか分からないと思いますが、早く気づいてほしいので伝えます。
お客にアクセスするコストは、皆さんが思っているより、「は・る・か・に・高い」です。
このコストが高いために、対象客をシッカリ定義して、無駄を徹底的に省くことが大切だと、思ってください。
アクセス解析の成功ポイント。
アクセス解析をすれば、数多くのデータを扱います。
アクセスのステージ: 月間検索数、表示回数、クリック率、・・・。
問合せのステージ: ページビュー数、離脱率、コンバージョン率、・・・。
成約のステージ: 成約率、キャンセル率、リピート率、・・・。
このように多くのデータと向き合うわけですが、アクセス解析の成功ポイントは、人間心理の把握にあります。
仮にクリック率が低いなら、なぜクリックされないか、それを人間心理から考えます。
- 表示位置が悪くて、視点が止まらなかったのか?
- デザインが悪くて、目立たなかったのか?
- 言葉使いを間違えて、ユーザーの心に響かなかったのか?
こういう視点から考えていかないと、正しい解決策を立てることが出来ません。
最初に覚えてほしいのは、3つのステージは、ユーザーの体温が異なることです。
- アクセス前: コールド
- 問合せ前: ウォーム
- 成約前: ホット
初めてアクセスするユーザーは、サイト運営者のことを知りません。心理状態はコールドです。それから色々な情報に接し、共感をしたり、親近感を抱きはじめます。
問合せ前の状態は、ウォームに変わります。そして成約前は、ホットです。「これいいなぁ!」とか「なるほど、買いだね!」と少しだけ、気分の高揚感がないと、購入(成約)には進みません。
突き詰めていえば、Webマーケティングとは、色々な情報提供を通じ、ユーザー心理を徐々に高めることが、勝負である!
こうご理解いただくのが、正しいと思います。
● 最後にこの動画セミナーを見て下さい。
とても重要な動画セミナーです。人間心理とはどういうものか、説明しています。
Webマーケティングのプロと言われる方々でさえ、どのように間違えるか、実例を出して説明したので、とても役立つでしょう。
(参考 無料・動画セミナー) コンバージョン率アップの核心!
以上、少々長くなりましたが、Webマーケティングとは何か、ご説明しました。
ご参考になれば、何よりです。